僕達は言葉を使う。

そして声を使う。

声は口の形を変える事で違った音が出る。

 

ふと考える。

口ってどこだ?

まぁだいたいはこの唇の周りの事を言う。

 

ただ形を変えると声が変わるものを口とするならば

人は表情によっても声は変わる。

笑っている時と怒っている時では違う声が出る。

だから顔も口だ。

 

そもそも身体のカタチを変えても全然声が違う。

踵を合わせ指先揃えて姿勢正して言う“Yo check it out yo!”と

体幹を回旋し膝を軽度屈曲して肘を伸展し指をフレミングの法則にしてドヤ顔で放つ“Yo check it out!”

ほら全然違う。

 

着ている服でもそうだ。

パジャマの時。

お気に入りのクールなスニーカーを履いている時。

それでも声は変わる。

 

マイクもそうじゃないか。

マイクを持っている時と持っていない時でも声は変わる。

 

となると触れるもの。

この空気。

触れているこの空気も口か。

 

シーンとした会場の空気と

みんながプチョヘンザしてるホットな空気ではどうしたって声は変わる。

 

そうすると

空気の

先にいる

あなた。

あなたも僕の口だ。

あなたが僕を見ているか見ていないか。

「あぁ早く終わんないかなー」感が漏れてるか漏れていないかでも僕の声は変わる。

だからあなたも

あなたも

あなたも

あなたも

あなたも

あなたも

僕の口なんだ。

 

ということは僕が今立つステージ

場所

地球

宇宙

僕と繋がって触れているもの全て

過去も

今も

未来も

全て

なぁんだ。

僕の口じゃないか。

 

だから僕が言う“Everything's gonna be alright”

Bob marleyがいう“Everything's gonna be alright ”では

声の響き方が違うんだ。

彼と僕とでは触れているものが

口の形を作っているものが

違うのだから。

 

じゃあ僕は今どんな口をしているだろう。

 

 

 

 

うん

今はこんな口。

 

 

 

こんな口のカタチで

ここで

声を

発する。

 

Everything's gonna be alright.