『地獄で笑え』解説⑬

『中吐露』解説

この曲は、あまりにも丸裸な曲過ぎるし、Hookもないし、割とここまで通していた気持ち良い流れをぶった切るパワーがあるので(笑)、

実は少人数の珍しもの好きがアルバム何周かした頃に聴いて好きになってくれたらいいなぁみたいに思っていたのですが、

 

蓋を開けたら、直接“この曲が好きだ!”って連絡くれる人が複数人いたり、ストリーミングなどの再生回数も多く、割と人気のある曲になっていました(笑)

っていやもちろんありがたい話です!(笑)

 

『中トロ』なんて音だけ聞くとなんか美味しそうでフレッシュな感じですが、

実際はめちゃくちゃに泥臭い曲です。

この曲はイントロとアウトロの中間の「中トロ」で、

かつここで自分の溜まっていた気持ちを吐露してるところ。

Verse的には40小節一本のみ。

あと前後にそれこそイントロとアウトロがあるといった構成です。

 

 

何かにまっすぐ向かって進む人は流れ星のようにキラキラして見えるもので、素敵に思える。

 

でもそうやって僕自身まっすぐに走ってるつもりだけど、“素敵ですね”と言われることに違和感がある。

 

何故なら流れ星だって近づいて見てみればただの燃えた鉱石で、きっと焦げた匂いだってするだろうし、素敵なものではない。

 

なんだって距離感が重要なんだと思います。素敵と思って終わるには。

実際はそんなもんじゃない。近付けば近付くほどがっかりしたり、見れたもんじゃなかったりする。

 

とにかく離婚してからの日々は幸せを得ることが怖かった。

これ以上何か幸せを得れば、またどうせ大切なものを失ってしまう気がして。

この業を背中から下ろすことは、この身体に着いた炎を消すことは、赦されない気がしていました。

正確には、今もそう思います。

 

ならばいっそ私は流れ星として殉じようと。

 

音楽を続けることは、苦しくなくてはいけない。

私が歩むべき道は、懺悔の人生であり、また厳しく妥協の赦されない道であり、

カッコなんかつけてる場合じゃない。

余裕こいている資格はない。

 

神様はきっと見ていて、いや監視していて、

何かを幸福や安心を得れば、税金のように僕から何かを回収しにくる。

 

汚れて、落ちて、苦しんで、もがいて、泣いて、叫んで、苦悶して、

それでも歩く。動く。書く。考える。

 

そうしていたら、少し自分自身気付くことが出てくる。

 

 

あれ?俺カッコよくねぇ?

 

 

この曲の最後、僕はさらに遠く飛ぶ方法に気付く。

それは、強く握って引いていた矢を放つこと。

拳を緩めることを赦し、手を開き離すこと。

アロー。

 

ここからアルバムの後半に向けてまたゆっくり、地獄で笑うことに対して模索を始めていきます。

 やっぱりこの曲は僕の芯の部分なのかもしれない。

でもそれでも進んでいく。必ず次へ向かわなくてはいけない。

 

 

『中吐露』

 

BeatはTO-SHIRO。

もうどうしようも、戻しようもないスペースに雪のように寂しさが積もっていく。

それは無理だ。死んじまうよ。

ならせめてこの隙間を好きなものや夢で埋めよう。足元の雪はずっと走って踏み潰して…

残像。夜間飛行。イントロ過ぎて中途の中吐露。

 

 

どのツラ下げて

調子くれてんだ。

慈悲深い時間は傷を無情に埋めてった。

幸せが怖いんだ。

もらったtender

と同じ量の宝物が向こうに消えてった。

 

じゃあここに立つは残りカスか?“戻りますか?もう”だってさ。ここまで来て共に助かろうなんて

思っちゃないんだ。俺は燃えて走る飛翔体。

パーツはほぼ破損中。進んでれば異常なし。

 

そりゃそうさ

等価交換さ。幸か不幸かは

わかんないけど荒野の中

選んで走るよ。

どうか父さんが ダサいやつにだけはならぬように待っていてなon the corner。なんだこんな困難。

 

国道463 気持ちはリビングレジェンド

のつもりで歌ってんだけどこれじゃリビングデッドじゃん。

ベッドなんか入らないでカフェインとアルギニン

摂取したらダメージを作品にかえて

 

もう頭イかれてんだよな。

真っ直ぐ。真っ直ぐ。青い珊瑚礁を目指す。

日本刀のつもりが顔にたんこぶを増やし

愚直とも言い難い ぐちょぐちょのin my life。

 

“同じような奴は腐る程いるぜ?

お前だけじゃねぇ”って知ってんだよ。だから曲にしてんだよ。

昼も夜も陰も陽も両方カッコイイ。

俺もお前もキチィだろうがstill walk on my dream。

 

迷いながらさ、アホにならなきゃ

なぁどうにか頭 なっちまうぜ。ラララ

ジャポニカアンダグラン。

名も知らないラッパー

がアルバム出してさ。聴いてくれるかな。

 

ふえるワカメみたいに拡大する不安。

ほら躁鬱のサイクルが

発症して発狂寸前の今の感情を説明

したくてRapをして削除して今何小節目?

 

っていうか重かったって理由でこの肩に乗った荷物

降ろして買った自由で 届くはずがねぇんだマジで。

このかた30年。ダサくたって生きた。

俺は物書きだ。これだけじゃ物足りないっていうぜ。

 

物買ったり する金や時間は今は仕事だったり 音ばっかりに使いてぇ。

まだ物語の途中で。

ならば余裕で 俺は頑張れるよ。

あぁチクショウしんどいなぁ。あぁ、俺クソカッケェな。

 

やべぇクソカッケェな俺。

 

遠く伸ばした左手で弓を作り

渾身の右拳 と唇を離し空に矢を放つ。