『地獄で笑え』解説⑫

『matto na mad』解説

僕はセンスもないし、別段強烈な個性やキャラクターがあるわけではないのだけど、

 

他のラッパーに負けない、自分のストロングは何か。

 

と言ったら、

「なんでもエモく感じちゃうこと」と

「頭おかしいくらいラップしてること」

だと思ってます。

 

基本的に頭の中では言葉を追っているし、何かあれば作品にしようと頭が働く。

 

僕のことを現場で見てる仲間とかはよく知ってると思うけど、

未だにマイク握りたがりというか、止められなければいつまでもラップしてます。

セッション界隈では「ラップおばけ」と呼ばれてるくらいだし(笑)、

最近では詩の活動も始めた分枠がさらに広がって、

とにかく表現できる場所・成長できる空間があれば参加したい。

 

外だろうと普通に声出してラップして歩くし、電車なんて最高の制作空間。

見た景色がぶわぁあああああっと頭の中で広がって、

そうなったら、もう居ても立っても居られない。

 

僕はたばこも大麻もその他ケミカルもしない側なんだけど(お酒は飲みます 笑)、

僕に触れた景色や音楽が充分僕を狂わせて「さぁ、書け。」と動かす。

 

アルバムを通して「僕にとって創作作業は業であり、地獄だ」と散々伝えているのですが、

「地獄」とは抜け出したくても抜け出せないもの(あるいはそれが困難なもの)なので、

そんなこと言われたって、この性質を脱することはできない。

 

 

“知ってる?真面目な奴が一番危ないんだぜ?”

 

 

真っ当に、この狂気に満ちた「制作」という作業を全うするにはまともではいられない。

やはり自分もまたMADなんだろうと。

 

ならば受け入れて、この目に映った景色や感動に正直に生きる。

やっぱり「表現者」って“普通じゃない”と、僕は思います(笑)

 

 

『matto na mad』

 

【verse.1】

静寂を乗せた電車内

夕焼けが不意に眼をさらい

僕は揚々と歌い出す。

雲が妙に綺麗で。

 

振幅はフラグ分の一。

現実と繋ぐ自分の位置。

ok I'mエモーショナルモンスター

mad rhymentist 

listen

 

なぁ世界はこんなに愛おしいのかと気付く。

all eyes on me。車窓のシュールレアリズム。

学校の上の空を圧倒的な

泳ぐマッコウクジラ達が発光をします。

 

エンドルフィンドルフィンが跳ねる。

窓の外でミドルフィンガーより

オルターエゴとshall we dance

雨粒隠した黒雲が

怖くてコクーンから出れず這いずって動くんだ

 

【hook】

真っ当なmad。ま、どうもまともじゃないんだ。

音でまどろんだ後。

“さようなら”と本当はまだ会ってもない君の

残像を何度も見て泣いていたよ。

危ないすね。わーっとなって泣いて

アートだって歌って んだからきっともう普通じゃないんだよ。mad

発酵のword。殻を飛び出す

事もなく窓に腕を伸ばす

 

【verse.2】

この感情に触りたいと深く入れたメス

だけどなかなか掴めず。

抉る。でも諦めず

 

鉄の殻を出ても尚内側の蛹男。

別のカラー 使って街を塗り絵にして笑って。

通りに薫る出来たのパン

それと珈琲が混ざり今はセピア色だ

 

すると全 感覚が知覚過敏

間隔が近くなり

ひたすら韻が溢れ舞い詩書くなり

嗚咽。

ずっと夕陽が美しいだなんて

恍惚に歌う僕がおかしいのかな。

 

【hook】

真っ当なmad

ま、どうもまともじゃないんだ。

音でまどろんだ後

“さようなら”と本当はまだ会ってもいない君の

残像を何度も見て泣いていたよ。

危ないすね。わーっとなって泣いて

アートだって歌って だからきっともう普通じゃないんだよ。mad

発酵のword。殻を飛び出す

事もなく窓に腕を伸ばす

 

【outro】

知ってる?真面目なやつが一番危ないんだぜ?