『地獄で笑え』解説㉑

『笑ってれば』解説

地獄で笑う為の答えその2。

 

「笑うこと、幸福は、罪じゃない」

 

ここまでこのアルバムで語ってきた、自分が抱えている、またはこの身を置いている、「地獄」というものは、

逃げられないもので、辛く苦しく、生きづらくするものの象徴みたいなもので、

 

とにかく地獄があるならば本当は「天国」の存在も同時に考えが及ばなくてはいけない。

 

じゃあ天国ってどんなところ?『Dry & Wet』のWet100%みたいなところ?

 

地獄よりも想像が難しいけれど、きっとすべてがうまくいっている場所なんだろう。

そしてとにかくみんな笑っているんだと思う。

 

でも『Dry & Wet』の解説でも書きましたが、それって“不自然”じゃない?って。

怒りの感情がないことが天国。悩みがないことが天国。

それは、ユートピアのようでデストピアのような気もする。

 

そしてまた地獄に戻って、ならば地獄では笑っちゃいけないのか?って。

それも不自然じゃないか。笑えないことはあっても、笑うことはむしろ天国的な、善いことだろうと。

もちろん嫌な笑いもあるけれど。

 

この曲は冒頭に出てくるように“ミサイルが上空”を飛ぶような、戦争が始まってしまった世界で歌われること、または聴かれることを想定して書いてます。

 

震災やテロ、紛争は今も日本でも世界中でも 起きているし抱えている問題。

きっとそれは地獄と呼んでいいと思う。

 

人にとって最もツライ感情は、「寂しさ」と「罪悪感」だと思う。

 

この両方を抱えて生きるのは、とてもツラい。

僕はここ数年、その両方を抱えて、自分から離すことを赦せなかった。

 

でも、このアルバムのように、だんだんといろんな出会いや経験、心情の変化を経るにつれ、

どちらも捨てる必要はなく、そしてどちらも持っていていいと気付く。

 

笑っていいのだと。

僕はこの地獄を背負いながらも、天国を胸に抱いていいのだと、

それが人間で、それが自然なんだとようやく気が付いた。

 

“正義ってのは苦しみの方にはない”

 

震災やテロなどが起こった直後の自粛ムードみたいなものがあまり好きではなくて、

本来ならば毎日どこかで起こっていることなんだから、毎日自粛しなくてはならないし、

そんな中でもいい空間を作って笑顔でいたり行動をすることは、停滞の何百倍もいいことだと思っています。

 

“君を差し置いて笑う俺はクズかい?俺の幸せを赦すかい?”

 

僕はクズでしょう。それは受け入れなければならない。

赦されないでしょう。それも受け入れなければならない。

でも自分に与えられた幸福も受け入れなければならない。

自分に向けられた愛や縁も受け入れるべきだと思う。

 

ここで出てくる“月”は、自分であり、家族であり、仲間であり、愛であり、天国。

 

僕の本名は「朋矢」で“月”が入っているので、よく「月=自分」というように使うことが多くて、

月は自分で光を放っているのではなく、太陽の光を受けているからこそ眩しい。

 

だから僕が眩しく見えるとしたら、それは周りの愛や、正面にいるあなたが眩しいからそう見えてくれる。

 

この曲は当然、自分に向けて歌ったものであり、そして息子のために歌った曲であり、家族、特に弟の為に歌ったものであり、大切な僕の仲間の為に歌ったものであり、未来の人たちに歌ったものであり、つまりは、あなたの為に歌った曲です。

 

悲しい顔してたら、周りも輝けない。

とりあえず笑う。

つられて心も緩んでくる。

それで難しければこの曲を聴いて、

一番いいのはこの曲を大声で歌ってほしい。

 

今日もだれかが死んでいる。

今日も誰かが泣いている。

それでも僕らは笑っていい。

地獄のようなこの世界で、

僕たちは照らす側でいよう。

 

何年経っても、また会う時も俺は笑ってるから安心してくれよ。

 

笑っていいぜ!

さあ、行こう!

 

 

『笑ってれば』

 

【verse.1】

長い付き合いの吐き気と腰痛。

眩い月夜。ミサイルが上空。

超くだらないジョークにならない

アイツのWordのフォークがheartの奥で何度も僕を刺す。what a fuck my life.

 

hey ハードなワークでもナンボのもんで毎回

乗り越える顔面は形状記憶合金。

意地でも笑って根気よくwalkin'。

 

ま、今日はいい酒飲んだ帰り。

夢語ってゲーって吐いた抱え込んだ悩み。

最高だね。と思った後ろで

後ろめたさと吹いた風が口止め。

 

隅で震える子猫。

俺だけ温かい思いしてゴメンよ。

それでも笑っちゃいけないって道理はない。

正義ってのは苦しみの方にはないぜ。

 

【hook】

ずっと笑ってれればそれがいいのに意地悪に嫌味を言われて

なんもわかってぇなってツラで手繋いで闇に道連れにしたがる。

だから笑っていて!なぁ!それでもうお前は仲間と運に好かれてく。

きっと笑ってれば結局 どんな地獄でもステージになるからさ。

 

【verse2】

なぁ俺の大事な人。

暗い闇で戦う大事な人。

ツラいのも麻痺して機械になりそう。

でもどうなろうととても嫌いになりそうにない。

 

やっぱ結局似た者同士。

同じような悩みもしたと思うし。

だからどうしてもほっとけない。

んでほっとかないでいてくれるhomie。

 

ウザいくらいにお月様が 僕にハハハと笑う。

どうしても一人じゃ輝けないからヤツの光が反射する。

 

そんな事されちゃツライ顔は出来ない。

下がってた気持ちも悪くない滑り台。

もう俺は大丈夫。

さっき飲んだハイボール

のゲップの背徳と不謹慎なスキップ。

 

君を差し置いて笑う俺はクズかい?

俺の幸せを赦すかい?

赦さなくてもいい。クズと呼んでもいい。

俺をなんと呼んでももういっそどうでもいい。

 

la la受け入れて、もう不幸自慢は辞めた。

誘い笑い呼ぶ幸福おじさんだ俺は。

君の地獄にも花が咲く事を

心から願う。

 

【hook】

ずっと笑ってれればそれがいいのに意地悪に嫌味を言われて

なんもわかってねぇなってツラのあいつらにへつらうような必要はない。

だから笑ってくれ!なぁ!それでもうお前は仲間と運に好かれてく。

きっと笑ってれば君も誰かを照らす月になるからさ。

 

【verse.3】

上がり目 下がり目 クルッと回って はんぜにえ

あたりめ さばいて 狂ったように飲んで何杯目。

ガッカリでも サッパリでも coolに振る舞えハッタリで

当たり目 ばっかりですぐ上がれねぇのは当たり前なら

 

真っ赤に眼腫らして泣いてもいいだんぜたまにね。

でもパンパンに手 叩いてはしゃげる仲間に感謝して

上がり目 下がり目 くるっと回って バカみてぇ

にカマして、お互いにね、また頑張りてぇつって笑いてぇからさ。